夏を前に、陽射しも温かくなってきました。気温も上がり自然と温かい食べ物から、冷たいさっぱりとしたものが美味しく感じる季節に。冷たい麺類や冷奴などが人気ですが、添えられるつゆや調味料など、どうしても塩分を多く摂取しがちです。すると喉が渇き水分を摂る、暑さでまた水分を摂るその繰り返しから、汗や尿として排出されなかった水分が体に溜まり、内臓の働きを弱め、疲れやすく食欲不振といった悪循環を起こしやすくなります。
汗をかく季節に適度な塩分の摂取は大切になりますが、意識せずとも私たちの食事には、一日に必要とされる塩分量は足りていることが殆どです。健康のために薄味を意識したいところですが、中々難しいのが現実ですね。そこで、塩分を体内から上手に排出する栄養素を持つ食材を、積極的に摂ることを意識してはどうでしょうか。有効とされる栄養素は『3種のミネラル(カルシウム・カリウム・マグネシウム)』です。ミネラルは足のつり(こむら返り)を予防することでも不可欠な栄養素。塩辛い汗をたくさんかくことで同時にミネラルも失われ、水分を摂り過ぎることで血液濃度を薄めるなど、これからの季節に起こりやすくなる症状の一つです。
ミネラルは、普段から意識して摂りたい栄養素ですが、シンプルになりがちな夏の食卓には工夫が必要ですね。皆さんが馴染みのあるお料理に、栄養の組み合わせを意識したアレンジメニューをご紹介します。
※食事療法とは・・・・・単純に薬と食事を同列に置くものではなく、現代人の誤った食生活が、ガンをはじめとする現代病を引き起こしているという考え方が根底にあります。誤った食生活や人工的な食事、添加物の過剰摂取や偏った栄養などを根本から変えようとするものです。本来人間の持つ、治癒力・免疫力・体内代謝を高める食事内容を心がけましょう。
疲れにくいカラダを作る栄養素
外食はもちろん暑くなるこれからの季節、家庭でも炭水化物中心の食事で済ませがちですね。エネルギーの源である炭水化物ですが、それだけを摂取してもエネルギーには変化しにくく、返って疲労物質である乳酸や脂肪へと変化させてしまうこともあるのです。
炭水化物や乳酸また脂肪などの疲労物質を、消化分解しエネルギーへと変えることが必要です。有効とされる主な栄養素は『ビタミンB1、B2、クエン酸』です。パワーの源とも言われる豚肉やニンニク、うなぎにはビタミンB1やB2の栄養素が含まれ、暑い季節には欠かせない食材の一つですね。
しかし、同時にニオイの原因物質も多く含まれているため、汗をかく季節には食べ合わせも大切に。クエン酸には、カラダの代謝の働きを高める効果があるため、血液中のニオイ成分が分解されやすいと言われています。酢のものや果物などの柑橘類を上手に取り入れたメニューで、これからの季節を上手に乗り切りましょう!
栄養素を上手に摂取
カルシウム
適度な運動を⇒ 運動することで骨に付加がかかり、骨を強くするため細胞の活動が活発に。
マグネシウム⇒ カルシウムに対して、2:1の割合で摂取。骨となるカルシウムの吸収量を調節。
クエン酸⇒ お酢の働きで胃液の分泌が促され、カルシウムが溶け出しやすい状態に。
もしかしてミネラル不足!?チェックシート
□疲れやすく、疲れが数日抜けないことがある
□足がつりやすくなった
□のどの渇きを感じることが多い
□手足のしびれや筋肉の痙攣が起こる
□貧血気味である
□めまいが起こることが多くなった
□手足がむくみやすくなった
□不整脈を感じるようになった
□まぶたの痙攣(チック症)が起こる
栄養素摂取量の目安(1日あたり)
カリウム
成人男性[2000~2500mg]、成人女性[1600~2000mg]
枝豆100g⇒490mg、ほうれん草100g⇒490mg、パセリ10g⇒100mg
カルシウム
成人男性[650~900mg]、成人女性[600~700mg]
牛乳コップ1杯分(約200cc)⇒220mg、チーズ約1切れ(約30g)⇒140mg
マグネシウム
成人男性[350~370mg]、成人女性[250~280mg]
インスタントコーヒー(粉末)10g⇒40mg、アーモンド100g⇒270mg、そら豆100g⇒120mg
ビタミンB1
成人男性[1.1mg]、成人女性[1.4mg]
豚ヒレ肉100g⇒0.98mg、中華麺(即席)100g⇒0.55mg、たらこ100g⇒0.71mg
ビタミンB2
成人男性[1.6mg]、成人女性[1.2mg]
アーモンド100g⇒1.11mg、納豆100g⇒0.56mg、豚レバー100g⇒3.60mg
材料(4人分)
- そうめん
- 200g ※少なめの分量です。
- 鶏もも肉
- 200g
- 塩・こしょう
- 適宜
- れんこん
- 中1/2個分
- なす
- 約中1本
- 塩
- 適宜
- ブロッコリー
- 約1/2株
- ベビーリーフ
- 適宜
- レモン
- 約中1/2個分
- ミニトマト
- 約12個
- 岩塩
- 少々
- 黒こしょう
- 適宜
- 酢または白ワインビネガー
- 大さじ1
- めんつゆ
- 大さじ1
- バルサミコビネガー
- 小さじ1 ※省いても問題なし。その場合に普通の酢を大さじ1足して下さい。
- 砂糖
- 大さじ1/4
- にんにくすりおろし(チューブ)
- 1片分(約小さじ1/4)
- オリーブオイル
- 大さじ2
- 新玉ねぎすりおろし
- 約1/4個分
- パセリのみじん切り
- 大さじ2
- スライスアーモンド
- 適宜
冷やしイタリアン(トマトだれ)
彩り豊かな野菜と香ばしく焼き上げた鶏肉、甘みの強いミニトマトのタレを添えて、暑い季節の定番メニューをイタリアンに!スパゲッティよりも扱いやすいそうめんを使用しています。濃度を付けたタレが麺に絡み、添えたトマトやブロッコリー、なすやれんこんには共にカリウムが含まれ、異なる食感の組み合わせで美味しく頂けます。旬の素材は栄養価も高く、旨みも強いと言われます。野菜がたくさん頂ける万能ダレは、中華麺やスパゲッティはもちろん、冷奴やシーフードなどにも良く合います。
- 鶏もも肉は、皮目に数箇所穴をあけ、火通りが良い様に包丁を入れ厚さを均一にしておく。
- れんこんは、皮付きのまま流水で汚れを落とし、幅5mmにカットしておく。
- なすは、ヘタを取り除き、斜めに幅5mmのスライスにしておく。
- ブロッコリーは、花蕾を一口大にカットしておく。塩を加えた熱湯で、硬めに茹でておく。
- レモンは、皮に塩を振り、こすり洗い。流水で汚れを落とし、くし形にカットしておく。
- ミニトマトは、お尻の部分に十字の切り込みを入れておく。
- 新玉ねぎは、すりおろしておく。
- パセリは、みじん切りにしてガーゼに包み、流水でアクを洗い流し、硬く水分を切っておく。
- スライスアーモンドは、1000wのトースターで約3分加熱し、香ばしく煎っておく。
- そうめん用に、湯を沸かしておく。
- 耐熱容器または皿に切込みを上にしたトマトを置き、600wの電子レンジで約1分加熱する。粗熱を除いて皮を取り除き、潰しておく。
- ボウルに、岩塩→黒こしょう→酢→めんつゆ→バルサミコビネガー→砂糖→にんにくを加えてしっかりと混ぜ合わせ、オリーブオイルを加えて更に混ぜ合わせる。
- ②へ、①と新玉ねぎ、パセリを加えて軽く混ぜ合わせ、冷蔵庫でしっかり冷やす。
- フライパンに油を敷き、塩とこしょうで下味をつけた鶏もも肉を、皮目から置いて両面香ばしく焼く。粗熱を除いて、食べやすい大きさにカットする。
- ④のフライパンの余分な油を除き、なすに塩を振って香ばしく焼く。油を足してれんこんを揚げ焼きにする。
- そうめんを表示通りに茹で、冷水に取り上げて水気を切る。
- 器に、そうめんと具を飾り付け、③のトマトダレを注ぎ、スライスアーモンドを散らす。
- 加熱することで、トマトに含まれる糖分や旨み成分のグルタミン酸が凝縮され、より美味しく頂けます。また、リコピンの吸収を高める油との組み合わせがおすすめです。
- なすは、水に浸すことでポリフェノールが溶け出し、味が落ちるといわれています。アク抜きはせず、そのまま調理することをおすすめします!
材料(4人分)
- 豆乳
- 200cc
- 牛乳
- 200cc
- 片栗粉
- 大さじ6
- 砂糖(三温糖またはきび砂糖など)
- 大さじ3 ※上白糖でも可
- きな粉又は黒豆きな粉
- 大さじ2~3
- 砂糖(三温糖またはきび砂糖など)
- 大さじ2~3 ※上白糖でも可
- 塩
- 少々
- すだち又はかぼす
- 適宜
- 黒蜜
- お好みで
- 流し型(中)
- 1台 ※バットやタッパーなど、均一した深さと面積のある器
ふるるん豆乳ミルクもち
手軽な食材で簡単に作れることから人気のおやつです。ゼリーよりもコクがあり、プリンよりもモチモチとした弾力のある食感が好まれています。寒い季節にはできたての温かいものを、熱い季節には軽く冷やすなど、温冷いずれも楽しめるのも嬉しいですね。
豆乳ミルクもちは名前の通り、豆乳と牛乳を半分ずつ使用した、それぞれの優れた栄養素を取り込める工夫をしています。豆乳には、牛乳の10倍の鉄分、マグネシウムも2倍以上含まれ、更に生活習慣病にも役立つビタミンEも含まれています。また、豆乳には「お腹のゴロゴロ」の原因となる乳糖が含まれていないため、胃腸の弱い方にもおすすめです。
そして、牛乳には代表的な栄養素カルシウムが豊富に含まれ、無理なく量を摂取できることや、そこから得られるカルシウムの割合も他に比べて優れています。また、他の食品に比べて体に吸収されやすいなど嬉しいメリットも!そのままでも美味しく召し上がれますが、マグネシウムを含むきな粉などの大豆製品や、柑橘系の香りの組み合わせでどうぞ。
- 器に、きな粉+砂糖+塩を入れ、混ぜ合わせておく。
- 旬の柑橘類(かぼすやすだちなど)の皮に塩を振り、こすり洗いをして流水で汚れを落とし、色の濃い部分だけをすりおろしておく。
- 流し型または同様の器に、ラップを敷いておく。
- 鍋に、片栗粉と砂糖を入れて混ぜ合わせ、更に豆乳と牛乳を加えて混ぜ合わせる。
- ①を、中火にかけ、木べらで全体を大きくかき混ぜる。
- ②が温まり、少しずつ透明のかたまりが出来始めたら、弱火にして更に2~3分練り混ぜる。 注意)鍋底は焦げやすいため、木べらで底をこする様にして混ぜましょう。
- ③を、流し型などの器に隙間なく敷き詰め、そのまま常温に10分ほど置いて粗熱を除き、氷水に型ごと沈めて軽く冷やす。 ※冷やし過ぎると固くなるので注意!
- ④を、食べやすい大きさにカットして器に盛る。砂糖と塩を加えたきな粉を添え、仕上げに柑橘系の表皮を振りかける。
- 豆乳のみまたは牛乳のみの材料でも美味しく作ることができます。牛乳のみの場合には、特有の香りとコクが更に加わりますので、苦手な方にはレシピの通り豆乳と半量ずつまたは豆乳のみでさっぱりと仕上げることをおすすめします。
- レシピではきな粉を添えていますが、お好みで砂糖を加えたココアや抹茶などでも美味しく頂けます。