花粉症と聞くと春や秋をイメージする方が多いのですが、日本の風土からみると一年中何らかの花粉が飛散しているため、通年つらい症状を訴える人がいるのもそのためです。花粉症は症状が出る前に治療を開始する「初期治療」が大事とされています。花粉が本格的に飛散する約2週間前に、治療薬を処方して頂くことも強い症状を抑える選択肢の一つとしてあります。
花粉症は体内の免疫機能のバランスが崩れることで起こるといわれています。免疫機能を整え、免疫力を上げる習慣を身に付けることで症状を緩和することが期待されています。食事バランスを意識しストレスの少ない生活を送ることが免疫力を上げる上で大切となります。
体の内側からケアすると共に、日常生活の中で防ぐことのできる花粉症の元を取り除いていきましょう。ここでは、花粉症の症状別にご紹介!症状の緩和に有効的とされる食材のご紹介と、逆に悪化させてしまう避けたい食材とに分けてお話します。
花粉対策として
外出時
- 花粉症情報をチェック!⇒ 天候の変化を小まめにチェックし、万全を期して外出を。
- 外出を控えめに!⇒ ムダな外出を控え、飛散の多い時間帯を避けて行動を。
- 服装は目や鼻の保護を!⇒ 帽子やコートなどは、花粉が落ちやすい素材選びを。
- 外出後は花粉を入れない!⇒ 玄関先で花粉を落とし、室内へ持ち込まない工夫を。
- 肌についた花粉を除去!⇒ 洗顔やうがいなどで体内へ入れない努力を。
室内
- 窓やドアを閉める!⇒ 無意識な開閉を減らし、花粉の侵入を防ぐ。
- 小まめな掃除を!⇒ 掃除機+雑巾で細かな花粉を除去。
- 空気清浄機の併用を!⇒ 花粉除去機能のある清浄機でダブルの対策を。
- 布団や枕は部屋干しに!⇒ 陽射しのある時間帯を選び、更に布団乾燥機の併用を。
症状緩和のための食材として
鼻水の症状
- 症状その① 水分の多い鼻水
- 寒さで症状が悪化することがあります。体の芯から温める食材を選ぶと良いでしょう。
[しょうが、長ねぎ、山芋、しそ、かぼちゃ、にら、キャベツ など] - 症状その② 粘度のある鼻水、乾いた鼻水
- 体内にこもった熱を外へ出し、炎症を鎮める食材を選びましょう。
[豆腐、ほうれん草、小松菜、昆布、わかめ、ラディッシュ など]
頭痛の症状
- 原因その①
- 鼻の粘膜が炎症を起こして腫れ、取り込む酸素が不足し、頭が重く痛みを伴う頭痛。
- 原因その②
- 呼吸が苦しく十分な睡眠が取れない、寝不足から起こる頭痛。
- 原因その③
- くしゃみや筋肉の緊張から起こる筋肉痛により、血流不足などから起こる頭痛。
- 水分が多く、ミネラルやマグネシウムを多く含むもの
[油揚げ、粒マスタード、あさり、納豆、プロセスチーズ、桜えび など] - ビタミンB2を含むもの
[まいたけ、カマンベールチーズ、モロヘイヤ など] - その他 [全粒粉パン、スパイス など]
- ポリフェノールを多く含むもの
[赤ワイン、チョコレート、コーヒー、オリーブオイル など]
※血管が拡張して起こる頭痛には、コーヒーのカフェインが血管を収縮させ効果が期待できることも。
むくみの症状
- 原因その①
- 炎症から血管の外に白血球が出やすくなり、血しょう水も細胞間質に出やすくなるため。
- 原因その②
- 鼻が詰まることで寝不足になり、眠れないストレスからリンパの流れも悪化するため。
水分を排出し、症状を抑えるもの
[冬瓜、くるみ、白菜、緑豆春雨、あずき、ねぎ など]
免疫力を上げる主な食べもの
[玄米、きのこ類、豆類、いも類、発酵食品 など]
アレルギー症状を抑制する主な食べもの
[アスパラガス、松の実、長いも、アボカド など]
アレルギー症状を悪化させてしまう食べもの
[動物性たんぱく質を持つもの(牛肉、豚肉、鶏肉、卵) など]
※動物性たんぱく質は、消化に時間がかかることで消化器官の末端まで残ってしまい、体内では栄養成分としてではなく異物として認識されてしまいます。異物と認識された動物性たんぱく質を撃退しようと、体内では免疫系が活発に働き、アレルギー症状を悪化させてしまうのです。花粉の飛散が多い季節には肉類を減らし、同様の栄養素を持つ食材で代用しましょう。
発酵食品を食卓へ
免疫力を高める上で発酵食品の効果が見直されています。
風味や保存性が高まるだけでなく、微生物の持つ酵素の働きで体には幾つものメリットが生まれます。
乳酸菌発酵食品
ヨーグルト、チーズ、キムチ、ぬか漬け
・腸内で善玉菌を増やし、腸の活動を活発にして便秘を改善!
※乳酸菌のエサとなるオリゴ糖を一緒に摂ることで、更に働きが良くなり効果が高まります!
納豆菌発酵食品 (酵母の一種)
納豆
・胃酸にも負けず、生きたまま腸まで届いて善玉菌を増やす!
※納豆にのみ含まれる「納豆キナーゼ」には血栓を溶かす作用がある為、夜に出来やすい血栓に合わせて納豆を夕食時に摂ることが良いと言われています。
材料(4人分)
- 豚挽き肉
- 150g
- 塩、こしょう
- 適宜
- 小麦粉
- 少々
- 大和芋
- 200g
- 小麦粉
- 大さじ2
- 油
- 適量
- 長ねぎ
- 1/4本
- 根しょうが(すりおろし)
- 小さじ1
- 大豆(蒸しまたは水煮)
- 100g
- 春雨
- 50g
- 青じそ
- 10枚
- 鶏がらスープの素(顆粒)
- 小さじ2
- 酒
- 大さじ2
- 砂糖
- 小さじ4
- しょうゆ
- 小さじ4
- 白味噌またはあぶ味噌
- 大さじ1
- 水
- 200cc
- 食べるラー油(お好みで)
- 小さじ1
- 水溶き片栗粉
- 約大さじ1と1/2~
ふわとろ山芋の麻婆春雨
花粉症の最初の症状にくしゃみが現れますが、繰り返すことで筋肉痛となり、血流不足が起こることで頭痛にまで発展してしまいます。鼻水も同様に、そのままにしておくことでバイ菌が鼻から喉へと移行し、喉の奥に落ちた鼻水から粘膜が炎症を起こして腫れ、倦怠感へと繋がることがあります。いずれにしても、早い段階での適切なケアがポイントになります。レシピでは、水分の多い鼻水緩和に役立つと言われる大和芋や長ねぎ、青じそをプラス!これらの食材は同時に、体の中心から温めてくれる食材でもあります。更に、余分な水分を排出しむくみを抑えると言われる春雨を使用しています。
- 豚挽き肉は、下味を付けておく。
- 山芋は、すりおろして小麦粉を混ぜ合わせておく。
- 春雨は、袋裏面の表示通りに戻しておく。
- 青じそは、千切りにしておく。
- 長ねぎは、みじん切りにしておく。
- フライパンに、油を敷き、大和芋をスプーンで落として両面を香ばしく焼いて取り出す。
- 同じフライパンへ、長ねぎと根しょうがを入れて香りが立つまで炒め、更に豚の挽き肉を入れて炒める。
- ②へ、大豆と春雨、調味料(鶏がらスープ~水)を入れて沸騰するまで加熱する。
- ③へ、食べるラー油を加え、水溶き片栗粉を溶き入れて全体にとろみをつけ、大和芋と青じそを加えて火を止める。
材料(4人分)
- 凍りこんにゃく※
- 300g分
- 牛肉
- 150g
- 黒こしょう
- 少々
- 片栗粉
- 小さじ2
- 筍(水煮)
- 100g
- 油
- 適宜
- 酒
- 大さじ1
- 砂糖
- 大さじ1と1/2
- しょうゆ
- 大さじ2
- オイスターソース
- 大さじ1/2
- にんにく(すりおろし)
- 小さじ1/2
- 水
- 大さじ2
- ごま油
- 小さじ1
- 長ねぎ
- 1/4本
冷凍こんにゃくと牛肉の甘辛炒め
食生活の中に栄養の偏りが出ない様気を配ることも大切!花粉症などのアレルギーを持つ方は、消化に時間の掛かる動物性たんぱく質を控えめに。しかし、全く摂らないのは返って健康を害することに繋がる為、何でも程よく色々な食材を摂る様に心がけましょう。レシピでは、アレルギー物質を取り込まない為に強化したい表皮のセラミドを、こんにゃくによって保湿またバリア機能を強くすることができると言われています。
- こんにゃくは、約5mm幅にカットしてバットに並べ、冷凍庫で冷やし固めて(※一晩)取り出し、解凍しておく。
- 牛肉は、食べやすい大きさにカットして、黒こしょうと片栗粉をしておく。
- 筍は、食べやすい大きさの千切りにしておく。
- 新じゃがいもは、皮を良く洗い、ラップに包んで加熱し、食べやすい大きさにカットして素揚げにしておく。
- 長ねぎは、斜めスライスにし、水に数秒さらしておく。
- フライパンに、油を敷き、牛肉を香ばしく炒め、更に水気を切ったこんにゃくと筍を加えて炒める。
- ①へ、調味だれ(酒~水)を加えて沸騰させながら水分を飛ばす。
- ②へ、ごま油を回し掛けて火を止め、長ねぎを加えて全体を和え皿に盛り付ける。