寒さも深まり気温の低さに加えて乾燥がピークとなる今、風邪のウイルスが活発に働く季節でもあります。お正月休みに外出を控え、ゆっくりと過ごした体をいつもの生活リズムへ戻すことは簡単ではありませんね。お酒やご馳走で休まず働いた胃を回復させることはもちろん、不規則となった体内リズムを整えることも大切なケアの一つです。
冬の時期は、会話や就寝中の呼吸によって想像以上に水分が奪われるものです。外出時や就寝中には、マスクを付けるなどの対策をするほか、小まめなうがいと水分補給が大きなポイントに!喉が乾燥するとウイルスが入り込みやすくなるため、常に潤しておく必要があります。日頃から喉のケアに有効的な、食材の摂取や生活習慣を心がけましょう。
ここでは、風邪予防における『体を温め、乾燥を防ぎ、免疫力を上げる』といった対策ポイントを、生活習慣と食事に分類してお話します。身近に取り入れられることから始めましょう。
カラダを温める!
生活習慣
- 入浴
- シャワーで済まさず、お風呂で体の芯までゆっくり温めましょう。
- 身支度
- 首、手首、足首など「首(くび)」と付く体の部分を温めましょう。外出の際、寒さを感じる時にはマフラーや手袋、ブーツなどで温めると良いでしょう。
- 就寝時
- 寝ている間の呼吸によって奪われる水分や熱を、マスクや首にタオルを巻くなど工夫をして防ぎましょう
食 事
- 飲み物
- 麦茶やコーヒー、ビールなどは体を冷やす成分が含まれている為、体を温める紅茶や中国茶などの発酵茶、ワインや日本酒などを選ぶと良いでしょう。
- 【赤・黄・茶】
- 色の食べ物や、土の下にできる野菜は体を温める食材の目安になります。更に、スープや煮物など温かく頂ける調理法を選ぶと良いでしょう。
- 【クエン酸】
- 梅干やレモンなどを添え、一緒に食事を取ることで代謝を上げましょう。
- 【香辛料/香味野菜】
- 料理に加えることで味のアクセントになる他、効率よく代謝を上げる万能食材です。しょうが、唐辛子、にんにく、長ねぎ、玉ねぎ など。
乾燥を防ぐ!
生活習慣
- うがい
- 喉を潤し、菌を外へ出す。小まめなうがいは、簡単にできる風邪予防策の一つです。市販のうがい薬や、紅茶また緑茶などでうがいをする殺菌方法も。
- 環境
- エアコンなど暖房器具を使用する場合には、同時に加湿器を併用して乾燥を防ぎましょう。
- 睡眠
- 睡眠不足は体の抵抗力を落とし、体調不良の原因となるほか、疲労回復を遅らせ喉周辺の筋肉の柔軟性を損なうことがあります。疲れを感じない程度に、十分な睡眠を取りましょう。
食 事
- のど飴
- 唾液の分泌を促すため、オフィスや外出時には持ち歩くと良いでしょう。
- アルコール、タバコ
- 喉に悪いとされるものは極力控えましょう。
- 刺激物
- 喉を痛める強い塩分や糖分、辛味や酸味は極力控えましょう。
- ケア食材
- はちみつ+大根は、喉の腫れを抑え痛みを緩和する効果も。ビタミンCやβ-カロテンは、粘膜の形成や修復に役立つと言われます。
免疫力を上げる!
免疫力とは、様々な外敵から体を守る「防衛システム」のことです。
健康な状態を保つために働き、体の中で機能し闘っています。つまり、免疫力を高め十分に機能させていれば病気に掛かりにくく、たとえ病気に掛かっても早い回復が期待できるというものです。
免疫力は年齢と共に低下してくるものですが、病気知らずのお年寄りもいれば若くても病気に弱い方もいます。ですのでもちろん年齢だけで図れるものではありません。むしろ、免疫力は食事や睡眠などの生活習慣や、ストレスなどの心理状態にも大きく影響されるものなのです。
では、免疫力を上げる為にはどうすれば良いのか。ココロとカラダに負担をかけない、免疫力が低下する原因を取り除くことを心がけましょう。
体温を上げよう!
低体温の場合、風邪に掛かりやすくなるなど、様々な病気のリスクが増えるといわれ、風邪を退いた際に高熱が出るのも、体温を上げ免疫力を上昇させようとする防衛反応といわれています。
体温プラス4℃を目安にしたお風呂に入るなど、体温を上げるための習慣を作りましょう。
適度な運動を!
ストレッチやウォーキングなど、個々に合った適度な運動を心掛けましょう。体内にある免疫細胞(ウィルスが侵入した際に体を守る白血球)は、運動をすることで活発に活動するといわれています。体の内側から温め、冷えに負けない体を作りましょう。
笑顔の習慣を!
変化のない毎日にも、笑顔になれる楽しい!を想像してみましょう。家族や友人と過ごす、好きな映画やイベントに足を運ぶなど、笑うことで自律神経を刺激し心拍や呼吸を整えるといわれています。また脳の血流を増やし、血液の流れをスムーズにするなどプラスの効果も期待されています。
バランスの良い食事を!
毎日3食の食事を取ることはもちろん、トータルバランスを意識してみましょう。いくつもの器を用意するというよりも、一つの器にできるだけ多くの食材を盛り込み、継続できることが何より大切です。
お味噌汁を具だくさんにして小さめの鍋ものに、白米を炊き込みご飯にしておかずの器を減らすなどの工夫を!
免疫力UP!ファイトケミカル
植物が紫外線や外敵から身を守るために作り出した、「色素・辛味・苦味」などの成分。
ポリフェノールやカテキンなどがそれにあたります。
免疫力や抗酸化作用の強化に働きが期待されているファイトケミカルは、植物の細胞壁に囲まれているため、効率良く摂取するためには“加熱調理”が理想的といえます。
旬の野菜には旨みも多く、栄養価が高いことが特徴!スープや煮物などの調理がおすすめです!
材料(4人分)
- 米
- 600cc(3カップ)
- ほうじ茶(抽出液)
- 300cc
- 和風だし汁
- 300cc
- 豚ばら肉
- 100g
- ごぼう
- 80g
- 人参
- 50g
- 細切りこんにゃく
- 50g
- 酒
- 大さじ2
- しょうゆ
- 大さじ3
- 砂糖
- 大さじ2
- 赤唐辛子(輪切り)
- 1/2本分
- 塩
- 適宜
- 金ごま
- 大さじ2
- 小松菜
- 1/6束(約60g)
- 焼きのり
- 1枚
ほうじ茶きんぴらご飯
香ばしいほうじ茶と和風だしで炊いたご飯です。きんぴらごぼうは、生の具材に調味料で下味をつけ、煮る手間を省いてお手軽に。唐辛子のほど良い辛みと、仕上げに添えた焼きのりがアクセントに!
少ないおかずでもバランスの取れる万能炊き込みご飯です。唐辛子はお好みでどうぞ。
- 豚ばら肉は、幅約1cmにカットしておく。
- ごぼうは、表皮を洗い、ささがきにしておく。
- 人参は、表皮を洗い、幅約5mmの短冊切りにしておく。
- 小松菜は、流水で洗い、幅約1cmにカットしておく。
- ボウルに、豚ばら肉、ごぼう、人参、こんにゃくを入れ、調味料(酒、しょうゆ、砂糖、塩)を加えてもみ込み味をなじませる。
- 炊飯器に、米とほうじ茶、和風だしを合わせ、上に①を調味液ごとのせる。注)混ぜずに炊きましょう!
- 炊き上がった②に、金ごまと小松菜を散らして切り混ぜ、少し蒸らして器に盛り付ける。
- ③へ、手で細かくもんだ焼きのりを散らす。
- ごぼうや人参は、皮を残して全て使用することで、香りや栄養を余すことなくいただけます。
- ほうじ茶は、急須などに入れて煮出す他、ティーバッグの場合は濃いめに抽出して使用しましょう。
材料(4人分)
- 合挽き肉
- 100g
- 白菜
- 6~8枚(約340g)
- 長ねぎ
- 1/2本
- レタス
- 1/4個
- 小松菜
- 1/6束(約60g)
- 人参
- 50g
- おろし生姜、おろしにんにく
- 小さじ1/3
- 水
- 400cc
- 顆粒だし(中華又は鳥がら)
- 小さじ1
- 酒
- 大さじ2
- しょうゆ
- 大さじ2
- オイスターソース
- 大さじ1
- 豆板醤
- 小さじ1/2
- 砂糖
- 小さじ1
- 片栗粉
- 大さじ2~
- ごま油
- 小さじ1
野菜の麻婆煮込み
寒い季節に甘みを増す白菜や長ねぎ、加熱をすることで旨みを増すレタスや小松菜を、歯ごたえを残して美味しく煮込みました。挽き肉と野菜の旨みを片栗粉のとろみで閉じ込め、ご飯にのせても美味しいおかずに仕上げています。加熱をすることで野菜のカサが減り、より多くの食材と栄養を摂取できます。
- 白菜は、葉と芯に分け、食べやすい大きさにカットしておく。
- 長ねぎは、幅約2cmの斜めスライスにしておく。
- レタスは、食べやすい大きさにカットしておく。
- 小松菜は、硬い部分と葉に分け、長さ約5cmにカットしておく。
- 人参は、表皮を洗い、幅約5mmの短冊切りにしておく。
- フライパンに、油を敷いて挽き肉を入れ、炒める。
- ①へ、白菜の芯、長ねぎ、レタス、小松菜の硬い部分、人参、生姜とにんにくを入れて炒める。
- ②へ、水と調味料(だし、酒、しょうゆ、オイスターソース、豆板醤、砂糖)を加え、歯ごたえを残して煮込む。
- ③へ、白菜と小松菜の葉を入れて軽く煮込み、塩とこしょうで味を調える。
- ④へ、同量の水で溶いた片栗粉を回し入れ、再び沸騰させて鍋肌にごま油を回し入れて仕上げる。
- 硬さの異なる食材は、熱を加えるタイミングをずらすことでより美味しく頂けます。スープに染み出た栄養は、とろみをつけてムダなく!