日中の暖かさに比べて朝晩の気温が下がり、空気も澄んで過ごしやすくなってきました。冬に向けてすすむ乾燥への対策も備えておきたい所です。「秋の臓」といわれる肺は乾燥を嫌います。肺に通じる器官である鼻や喉を常に潤すことで、起こりうる病気を未然に防ぎましょう!
秋はこれから迎える冬に備えて、エネルギーを補うべき季節でもあります。秋の食材を十分に摂取し、呼吸器を潤すだけでなく、必要なエネルギーをきちんと備えましょう。 ここではこの季節に起こりやすい体のトラブル、関連する栄養素、カラダを内から潤すとされる「白い食材」とその働きをご紹介します。
※食事療法とは・・・・・単純に薬と食事を同列に置くものではなく、現代人の誤った食生活が、ガンをはじめとする現代病を引き起こしているという考え方が根底にあります。誤った食生活や人工的な食事、添加物の過剰摂取や偏った栄養などを根本から変えようとするものです。本来人間の持つ、治癒力・免疫力・体内代謝を高める食事内容を心がけましょう。
陽(春/夏)から陰(秋/冬)へと変わるカラダ
暑い夏を乗り切った体は、疲労が蓄積し内臓も疲れているため、食べたものの消化や栄養素を吸収する力が低下しています。胃を労わるためにも、いつもの食材を軟らかく消化の良い状態に調理して、食べる工夫をしましょう。米はおかゆや雑炊に、鶏肉や豚肉は軟らかく煮るなどのひと手間を。野菜は生で頂くのではなく、蒸し野菜やスープなどが良いでしょう。いつもの食卓に少しずつ取り入れることで、陽から陰への上手な切り替えが始まり、エネルギーを消費する陽から、温存する陰へと体を調えていきましょう。
秋に起こりやすいカラダのトラブルとは
空気が乾燥すると喉の粘膜は硬くなり、ウイルスが入り込みやすい環境に。喉が炎症を起こすと、風邪などの症状が現れ始めます。手軽にできる予防策として、こまめなうがいで喉を潤し、うがいの刺激で付着したウイルスを洗い流しましょう。また、就寝中の呼吸による乾燥を防ぐためにも枕元に水を置き、渇きを感じたら水分補給をする習慣を。
粘膜を強くする栄養素
※バランスの良い食事を基本として、次の栄養素を積極的に摂りましょう。
- その① ビタミンA(カロテン、レチノール)
- カロテン・・・・・皮脂をコントロールし、肌の潤いを保つ
[人参、かぼちゃ、ほうれん草、パセリ、青じそ]
レチノール・・・・・皮膚や粘膜の潤いを保ち、代謝を促す脂溶性のビタミン
[乳製品、卵、レバー、うなぎ]
※脂溶性ビタミン⇒水に溶けにくく、油に溶けやすいビタミン
- その② 脂質
- 適度な脂質は肌の水分を保護し、かさつきを和らげる
飽和脂肪酸(動物性)
[肉類、卵、乳製品]
不飽和脂肪酸(植物性)
[植物油、ごま、EPA・DHA(青魚)、種実類(くるみ、アーモンド)]
- その③ たんぱく質
- 皮膚の角質細胞を構成するたんぱく質。皮膚のバリア機能を保つ上でその働きは重要
[肉類、魚類、卵、乳・乳製品、大豆・大豆製品]
- その④ セラミド
- 皮膚の角質層にある脂質。皮膚を外部刺激から守り、角質層の水分を守る
[小麦、大豆、ヨーグルト、ほうれん草]
秋の潤い習慣
外では冷たく強い北風に、室内でも暖房による送風と、何処にいても水分が蒸発する環境に置かれる乾燥の季節が始まります。これからの季節、外からの水分補給だけでは、十分な潤いを与えることが難しくなります。秋~冬にかけて、「食事・代謝UP・睡眠」を柱にした、体の中から潤すケアを心掛けてみましょう。
《食事》
何よりバランスの取れた食事が一番です。偏った栄養やカロリーだけの摂取だけでは、逆に栄養不足となり乾燥から肌荒れを引き起こすこともあります。バランスの取れた食事に加え、体を潤すとされる栄養素を少し多めに摂取すると良いでしょう。
《代謝UP》
冷えから血流が悪くなることで、むくみや肌トラブルも起こりやすくなります。血液やリンパの流れが滞ることで、肌の代謝にも影響し、皮膚に行き渡るはずの水分が届かず潤い不足に。
潤いを保つ真皮層で水分を維持し、隅々まで潤いを届ける機能を健康に保つことが大切!
日頃から代謝を上げる習慣として、寒い季節でも常温の水やさ湯などで水分補給をし、ストレッチや半身浴などで体内の流れを作りましょう。
《睡眠》
食事を取り代謝を上げた後は、潤いを保つ睡眠をきちんと取りましょう。
肌のターンオーバーは寝ている間に行われます。深い睡眠は精神面を落ち着かせ、肌トラブルの原因となるストレスを軽減し、肌の修復機能を高める上でもとても大切です。
材料(4人分)
- れんこん
- 300g(正味:250g)
- 塩
- 小さじ1/2
- ブラックタイガー
- 4尾~
- かぼちゃ
- 70g
- ほうれん草
- 1/2束
- 和風だし汁
- 150cc
- 酒
- 大さじ1
- しょうゆ
- 大さじ1
- みりん
- 大さじ1と1/2
- 片栗粉
- 大さじ1~
- 水
- 大さじ2~
- ゆずまたはすだち
- 適宜
菜彩れんこんまんじゅう蒸し
皮脂をコントロールし、肌の潤いを保つカロテンのほうれん草やかぼちゃ、夏に傷んだ肌の細胞をれんこんに含まれるビタミンCの力で再生し、メラニンの沈着を防ぎ肌を蘇らせましょう。メニューでは、粗くおろしたれんこんに、海老やかぼちゃを練り込み、蒸しあげてから和風あんをかけた食感や味わいが様々に楽しめる一椀に。彩りも鮮やかに優しい味付けなので、お子様からご年配の方まで一緒に召し上がって頂けます。
- れんこんは、皮をむいてから粗い目のおろし器ですりおろし、水分も合わせて残しておく。
- ブラックタイガーは、殻と尾、背わたを取り除き、4~5等分にカットして塩少々を振っておく。
- かぼちゃは、固い緑色の皮を数箇所削ぎ落とし、約1cmのサイコロ状にカットしておく。
- ほうれん草は、塩を加えた熱湯で固めに茹で、冷水に取って水気を切り、食べやすい長さにカットしておく。
- ゆずまたはすだちは、水で濡らした表皮に塩を振り、こすり洗いをしてから色のある部分だけを薄くすりおろしておく。
- れんこんに、塩を加える。
- ①に、ブラックタイガーとかぼちゃを加え、軽く混ぜ合わせ4~8等分にして形を整える。
- 耐熱皿またはココットに②をのせ、蒸気の上がった蒸し器で約10分~加熱して蒸し上げ、ほうれん草を敷いた器に盛り付ける。※電子レンジの「蒸す」機能を利用しても良いでしょう。
注:)具材はもちろん、生地の中心までしっかりと熱を入れましょう。 - 鍋に、和風あん(和風だし汁~みりん)を入れて加熱し、水溶き片栗粉でとろみをつける。
- ④に、柑橘系の表皮を加えて混ぜ合わせ、③に回し掛ける。
材料(4人分)
- 合挽き肉
- 150g
- サラダ油
- 適量
- 里芋
- 550g(正味:約400g)
- れんこん
- 70g
- 和風だし汁
- 300cc
- 酒
- 大さじ2
- 砂糖
- 大さじ3
- しょうゆ
- 大さじ3
- みりん
- 小さじ3
- 小麦粉
- 1/4カップ
- 卵
- 3個分
- パン粉(細目)
- 約2カップ~
- 揚げ油
- 適量
- すだち(表皮)
- 1個分
- 一味唐辛子
- 適宜
- ししとう
- 8本
煮っころがしのコロッケ
夏に弱った肝臓や腎臓の働きを、里芋やれんこんに含まれるムチンの力で回復させ、これから迎える冬に向けて喉の粘膜ケアに努めましょう。効果の期待できる「ぬめり」を残す様な、田楽や煮物、揚げ物などがおすすめです。メニューでは、里芋やれんこんなどの根菜を甘辛く煮含め、合挽肉の下処理に使用する片栗粉が程よいとろみをつけることで、煮汁をムダなく利用できます。異なる食感を活かすため、具材は粗く潰して成形し、香ばしく揚げたソースいらずの和風コロッケです。すっきりと、すだちの表皮すりおろしと一味唐辛子の辛味をお好みでどうぞ!
- 里芋は、皮をむいて一口大にカットしておく。
- れんこんは、小さめのいちょう切りにしておく。
- すだちは、表皮に塩を振ってこすり洗いしておく。
- ししとうは、フライパンや網などにのせ、軽く焼き目をつけておく。
- 鍋に、サラダ油を敷いて合挽肉を炒め、更に里芋とれんこんを加えて全体に油を回す樣に炒める。
- ①へ、和風だしと酒を入れて加熱し、アクを除きながら約10分煮込む。
- ②へ、砂糖を加えて調味し、続けてしょうゆで味を入れ、みりんを入れて煮詰め火を止める。
- ③を、潰してお好みの形に整え、小麦粉→卵→パン粉→卵→パン粉の順に衣を付け、揚げ油で香ばしく揚げる。
※成形の際には、小麦粉に生地をスプーンで落としながら行うことで、作業がしやすくなります。
※卵液やパン粉に落とした後、ボウルを前後にゆすりながら行うと、作業がしやすくなります。 - 皿に、④を置いてししとうを添え、すだち表皮のすりおろしと一味唐辛子をお好みで振る。