12月に入り乾燥に加え寒さも厳しくなる季節、日頃あまり気にしていなかった方も、寒さが原因で「足腰の関節が痛み、外出が辛い」と感じることも少なくないでしょう。加齢や過度な運動また成長期と、様々な原因が考えられる関節痛。では、関節痛が悪化する原因はどこにあるのでしょうか。
寒くなる季節では特に血行不良が原因となり、周辺の筋肉が硬くなることで脚や腰、肩といった日頃良く動かす部位にいつも以上の負担をかけてしまいます。
通常、骨と骨の間に軟骨があり、この軟骨がクッションとなって衝撃を吸収し、摩擦を防ぐことで痛みを感じることはありませんが、激しい運動を繰り返すスポーツや加齢によって軟骨がすり減ることで、強い痛みを感じる様になります。また、体重が増えることでも腰や膝にかかる負担はとても大きくなります。体重管理も関節痛の大切な予防策の一つと言えますね。
ここでは、関節の痛みの緩和また改善に働くとされる、生活習慣や食事についてお話します。
※食事療法とは・・・・・単純に薬と食事を同列に置くものではなく、現代人の誤った食生活が、ガンをはじめとする現代病を引き起こしているという考え方が根底にあります。誤った食生活や人工的な食事、添加物の過剰摂取や偏った栄養などを根本から変えようとするものです。本来人間の持つ、治癒力・免疫力・体内代謝を高める食事内容を心がけましょう。
関節の老化予防
サポーターや保温効果のある服装で冷えを防ぎ、入浴時には湯船に浸かり血行を促しましょう。膝関節の老化には、筋肉や骨の衰えも関係しています。食事面では、コラーゲンなどのたんぱく質や、カルシウムの摂取にも気を配りましょう。コラーゲンはカルシウムを体内でつなぐ役割も持っています。この二つの合成に働く栄養素がビタミンC!また、カルシウムの吸収と骨の形成に働くビタミンDが不可欠です。
加齢による骨からのカルシウム溶出は増えるため、適度な運動やストレッチを心がけ、食事面においては日々の食事に加え、サプリメントを併用して上手に補いましょう。
関節の痛みを緩和・改善する
関節の痛みを感じると、日常の行動に制限ができることで運動から遠ざかり、益々関節は凝り固まる傾向にあります。また、外出が制限されることで意欲も下がり、食欲が落ちることで偏った食事に。全身の筋肉量が落ちる傾向にあります。筋肉を作るためには、良質なたんぱく質の摂取が不可欠ですが、そればかりの食事では体もアンバランスに。炭水化物+たんぱく質+ビタミン+ミネラルなど、バランスを取ることが大切です。
(生活習慣のお話)
体重管理を!体重が減ることで、腰や膝関節への負担は減り、日常の行動範囲も広がります。関節に負担をかけないストレッチからはじめ、ゆっくり関節を動かすことを意識しましょう。また、日常では床に直接座ることを避け、椅子などを利用して関節への負担を減らしましょう。外出時にもやはり、膝や脚に負担をかけない様、衝撃を吸収するクッション性の高い靴を選ぶと良いでしょう。痛みを感じたらまず痛みの箇所を温め、血行を良くすることで痛みを和らげましょう。
(食事のお話)
食べ物には、積極的に取りたいものと避けたいものとがあり、諸症状によって内容はそれぞれ異なります。
コーン油や紅花油、マーガリンなどに含まれる「トランス脂肪酸」は、関節に炎症を起こす原因の一つとされているため、トランス脂肪酸を含むパンやケーキ、焼き菓子やスナック菓子などの小麦製品の表示に注意しましょう。また、炎症を軽減するといわれる「しょうが、ターメリック」などの香辛料に加え、「青魚」が代表的ですが、青魚の脂肪中には中性脂肪を減らすEPA(エイコサペンタエン酸)が含まれていることも分かっています。一日=1切れ(小)を目安に、脂肪分も一緒に取り込めるホイル焼きや蒸し焼きがおすすめです。煮魚の場合には、煮汁も一緒にいただきましょう。
関節に働くとされる主な栄養素
関節痛や関節炎に関連する栄養素として[グルコサミン・コンドロイチン・ヒアルロン酸・コラーゲン]などが上げられ、一般的に推奨されているこれらの成分を含む食材をご紹介します。
他にも、関節や骨のために摂取を心掛けたい栄養素として[カルシウム・ビタミンC・ビタミンD]があります。
- カルシウム
- 牛乳、小魚、桜えび、プロセスチーズ、ひじき、しらす
丈夫な骨を守るために必要な栄養素。体内のカルシウムの99%は骨にあり、残りの1%が血液や神経また筋肉などの生理作用の働きに役立ちます。カルシウムの不足は骨質が弱くなり、骨粗しょう症や腰痛などを引き起こしやすくなります。 - ビタミンC
- 野菜や果物
コラーゲンの生成を促進し、グルコサミンの吸収をサポートし効率を高める作用があります。 - ビタミンD
- モロヘイヤ、しいたけ、鮭、さんま
体内でカルシウムの働きをコントロールし、血液や筋肉にカルシウムが不足しない様に管理をしています。 カルシウムを摂取しても、ビタミンDがなければ体内へ吸収されにくく、骨への沈着も効率良く行われません。カルシウムとビタミンDは、是非一緒に摂ることを心掛けましょう。
材料(4人分)
- じゃがいも
- 400g
- 砂糖
- 大さじ1
- フレンチドレッシング
- 大さじ2
- ひじき(水煮缶)
- 40g
- れんこん
- 小1節
- 人参
- 小1/2本
- きゅうり
- 1本
- 茹で卵
- 2個分
- アボカド
- 1個
- レモンの絞り汁
- 適宜
- 牛乳または生クリーム
- 大さじ2
- 塩、黒こしょう
- 適宜
- マヨネーズ
- 大さじ6
- 粉チーズ
- 大さじ1
- 野菜の素揚げ(お好みで)
- 適宜
ひじきとアボカドのポテトサラダ
ひじきなどの海藻類に含まれるヒアルロン酸は、細胞の間に水分を保ち、細胞に潤いを与えると言われていますが、細胞を修復する力も期待されています。メニューでは、じゃがいもをベースに海藻類のひじきや根菜類のれんこん、コクを与えるアボカドや茹で卵を組み合わせた、彩りや食感の豊かなポテトサラダです。マヨネーズの酸味を和らげるアボカドや粉チーズの適度な油分で、口当たり良く仕上げました。一品で栄養価の高いおかずに!
- じゃがいもは、芽と皮を除き、大きめにカットして砂糖を加えた熱湯で茹で、湯を切って再び火にかけ粉を吹かせておく。形を残しながら粗く潰し、粗熱を除いてフレンチドレッシングを加え、混ぜ合わせておく。
- れんこんは、皮をむいて食べやすい大きさのいちょう切りにし、酢を加えた熱湯で茹でておく。
- 人参は、皮をむき、食べやすい大きさのいちょう切りにして、塩を加えた熱湯で茹でておく。
- きゅうりは、食べやすい厚さのスライスにし、塩を振って数分置き、水分を切って塩揉みにしておく。
- 茹で卵は、形を残して崩しておく。
- アボカドは、種と皮を除き、大きめにカットしてレモンの絞り汁を振りかけておく。
- ボウルに、じゃがいも、ひじき、れんこん、人参、きゅうりを入れて大きくかき混ぜる。
- 器に、ソース(牛乳又は生クリーム~粉チーズ)の調味料を合わせてかき混ぜる。
- ①へ、②を加えて味を馴染ませ、最後に茹で卵とアボカドを加えて切り混ぜる。
- 皿に、③を盛り付け、お好みで野菜の素揚げを添える。
材料(4人分)
- 米
- 540cc(約3合)
- 鶏手羽先
- 4本(正味:約100g)
- 玉ねぎ
- 1/2個
- あさり(殻付き)
- 500g
(正味:約200g) - えび(殻付き)
- 4尾~
- 白ワイン
- 50cc
- 赤ピーマン
- 1個
- にんにく
- 2片
- オリーブオイル
- 大さじ2
- コンソメ(顆粒)
- 小さじ1
- トマトペースト
- 約50g
- 塩、こしょう
- 適宜
- ターメリック
- 大さじ1
- 生パセリ
- 大さじ1
- レモン
- 1/2個
鶏手羽先の炊飯器deパエリア
関節痛の症状に働きかけるグルコサミンやコンドロイチンなどの成分を含む鶏手羽先やえびは、下処理が少なく手軽に利用できる食材の一つです。関節や骨の形成に手助けとなる栄養素として、カルシウムやビタミンD、ビタミンCなどがあるため、バランス良く摂取できるメニューを選ぶなど、意識すると良いでしょう。メニューでは、米に鶏手羽先の香ばしさと旨みを移し、炊飯器で炊き上げることでふっくら柔らかく頂ける簡単パエリアに!固くなりやすい魚介類は、予め加熱して蒸し汁の旨みを活かし、加熱するタイミングをずらすことで、炊飯器でも美味しく頂けるメニューに仕上げています。
- 米は、研いだ後、十分に水分を切っておく。
- 鶏手羽先は、予め塩、こしょうを振り香ばしく焼き色を付けておく。
- 玉ねぎは、みじん切りにし、パプリカは角切りにして、それぞれ軽く炒めておく。
- あさりは、殻をこすり洗いし、砂出しをしておく。
- えびは、尾に斜めに包丁を入れて汚れを掻き出し、背わたを取り出しておく。
- にんにくは、芯を取り除き、みじん切りにしておく。
- 生パセリは、葉をみじん切りにしてガーゼに包み、流水でアクを流して水気を切っておく。
- レモンは、表皮に塩を振ってこすり洗いし、くし形にカットしておく。
- フライパンに、オリーブオイルを入れ、にんにくを香りが立つまで炒め、あさりとえびを加えて酒を振り、酒蒸しにする。具材と蒸し汁を取り出し、別々に置いておく。
- 炊飯器に、米と蒸し汁を入れ、水を3合の線よりも少し下になる様に水を注ぎ、調味料(コンソメ~ターメリック)を加えて全体を混ぜ合わせる。
- ②の上に、玉ねぎと鶏手羽先を置いて炊き上げ、蒸らし時間にあさりとえび、パプリカを戻して熱を入れる。
- ③を、大きく切り混ぜて皿に盛り付け、パセリを散らしてレモンを添える。